2014年の年の瀬、12月29日に【いなり、こんこん、恋いろは。】の第9巻が発売しました。今か今かと続きが気になっていた第9巻ですがまずは表紙を見てびっくりです!

これまでの表紙はどれも明るい色使いで柔らかな印象を受けるのですが本書はまさかのダークカラーでびしっと決めています。それも落ち着いた印象と言うよりかは何か不穏さを感じるようなただならぬ気配です。黒色を全面に押し出したカラーに驚いたファンの方も多いのではないでしょうか。私は結構びっくりしました。

物語の結末へ向けて、この第9巻では表紙からも感じられるように不穏な出来事が連続していきます。その果てに【いなり、こんこん、恋いろは。】の終着点が見えてくるようで、うれしさと同時に寂しさが漂うような、そんな感想を私は持ちました。

それではいなこん、第9巻の紹介と感想です。

第9巻のあらすじ

いなりはついに憧れの丹波橋くんに想いを告げ、二人は晴れて恋人同士になりました。ぎこちなさが残る二人ですが次第に仲は進展していきます。

一方で互いの想いに気がついてしまった燈日うか様。もやもやとしたものを抱えながらも互いを求め、その想いはますます強くなっていきました。

……人間になりたい。

これまで神として生き、そして人間を見守ってきたうか様が抱いてしまった強い願いは、次第にいなりの身体に影響を及ぼし始めます。

いなりが神に、そしてうか様が人間に……。

いなりがうか様でうか様がいなりで

うか様がいなりの願いを叶えるために自分の力の一部を授けたことでいなりは神通力を得ました。その力はいなりの人生を大きく変えて素敵な出来事もいっぱいありましたが、次第にいなりは神通力をコントロールすることが出来なくなり、その力をうか様に返すことになります。そしていなりは普通の人間へと戻りました。

神通力をうか様に返したはずのいなりでしたが、なぜかその力が消えることはありませんでした。わけがわからなかったその事態の理由がこの第9巻で明らかになります。

その原因はいなりにあるのではなく、うか様にありました。

いなりと燈日に出会って親しい友人となったうか様でしたが、一方で神と人間の違いに悩み、【人間になりたい】と心のどこかで願い始めていました。その願いが、無意識のうちにいなりがうか様に返した力を拒絶してしまっていたのです。

そして燈日と自分の想いに気がついてしまったうか様はますます人間になることを望み、神の力を拒否し始めます。その反動はいなりへと向かい、いなりの身体に様々な異変をもたらしてしまうのでした。

丹波橋くんとデートの途中で神の力が暴走し倒れるいなり、出てきたセリフは「わたし、まだ、にんげん……?」いなり自身、自分が人間でなくなっていくことに気づいている。【いなり、こんこん、恋いろは。9巻】p.124より
いなり自身、自分が人間でなくなっていくことに気づいている。
【いなり、こんこん、恋いろは。9巻】p.124より

いなりの中で神の力が強くなり始めます。食べ物の味も感じなくなり空腹も消え、丹波橋くんには時折いなりの姿が見えなくなっていきました。一方で、丹波橋くんにはうか様が見えるようになっていきます。

いなりとうか様の、人間と神の関係が逆転し始めたのです。

第9巻を読んだ感想

丹波橋くん、かっこええな!

これまでちょこちょこと丹波橋くんはかわええなぁと感想をもらしていたと思いますが、この第9巻の丹波橋くんはかわいいと言うより本当にかっこいいです。まじでかっこいいです。

いなりの秘密を共有し、恋人同士にもなったことで丹波橋くんが大胆に物語に絡んでくるようになりました。特に決意を固めてからの丹波橋くんは、ここだ!という場面で決定的な一歩を踏み込むので凄まじく格好良く見えてしまうのです。

いなりを救ったのは丹波橋くんの願いの言葉「僕には、伏見さんが必要やねん」【いなり、こんこん、恋いろは。9巻】p.120より
神の力が暴走しかけるいなりを救ったのは丹波橋くんの願いの言葉。
【いなり、こんこん、恋いろは。9巻】p.120より

丹波橋くん自身、家庭環境やいなりのことなど悩み事はたくさんあるのですがそれでも真っ先に勇気ある行動を起こします。その姿がもう、かっこいい!

あかん、これは惚れてまう。

そしてやはり一番気になるのはいなりとうか様の関係です。燈日といちゃいちゃし始めるうか様の様子は可愛らしくてうれしくなってくるのですが、その一方でいなりに影響が出始めてしまうので素直に祝うことが出来ません。どうしたら皆が幸せになってくれるのか、不安になってきます。

ドキドキする展開が続き、このままではバッドエンドすら見えてきてしまいそうです。でも、いなりたちならきっとなんとかなるとも信じています。いなりとうか様だけじゃなく、今は燈日も丹波橋くんもいますし、コンちゃんだって親友たちだって皆がいます。

不安になりつつも、きっとうまくいく! 物語のクライマックスにそう願わずにはいられません。

いよいよ【いなり、こんこん、恋いろは。】完結です

第8巻での恋の成就、そして本書第9巻を経て、いよいよ【いなり、こんこん、恋いろは。】の物語の終わりが見えてきました。

いなりとうか様は出会い、楽しいことも苦しいことも経験しながら二人の物語は紡がれてきました。この物語がどういった結末を迎えるのか、この作品を好きになったファンの一人として見届けるのはすごく楽しみであると同時に、一抹の寂しさも感じてしまいます。

本書第9巻の巻末には次巻の予告が掲載されています。

次巻、いなり、こんこん、恋いろは。完結です。

大人の階段昇る~♪ 君はまだ~シンデレラさ~♪

うか様が燈日に言われた一言「今日はここに泊まれ」【いなり、こんこん、恋いろは。9巻】p.130より
大人の階段昇る~♪ 君はまだ~シンデレラさ~♪【いなり、こんこん、恋いろは。9巻】p.130より

めちゃくちゃシリアスな展開のシーンなのですが、思わず脳内で【大人の階段昇る~♪ 君はまだ~シンデレラさ~♪】と流れてしまいました!

ピィヒャアアアアアアアアア! 顔が火照ってくるねうか様!!