私のようにアニメ化の影響で『いなり、こんこん、恋いろは。』に興味を持った方も多いと思いますが、アニメでは話数の関係上で原作マンガのストーリーが結構カットされているようです。

第1巻は大体カバーされていますが2巻以降から少しずつストーリーが省略されています。もちろんメインストーリー自体は同じですが、より『いなこん』の物語を楽しむためには是非原作のマンガを読んでみることをおすすめします。 

この第2巻ではいなりが丹波橋くんと買い物デートをしたり、墨染さんと一緒に遊んで仲良くなったり、丹波橋くんの家で勉強会が行われたりと、いなりがクラスメイトと親好を深めていくシーンが多く描かれています。しかし、こういった日常シーンがアニメでは省かれているところがあるのでマンガでなければ読めません。

特に墨染さんと仲良くなっていく過程はアニメよりしっかり描かれているので、より墨染さんが好きになっていくと思います。私はマンガの墨染さんの方が大好きです。アニメとマンガでは墨染さんの評価がだいぶ変わってくるのではないでしょう。アニメだけだとただの百合娘だよね。

まあ、アニメでは教頭先生がぱーふぇくとだったからいいよね。 

二巻のストーリー

変化の神通力を手に入れてしまったことで高天原に連行されたいなりでしたが、天照様のテストも無事合格し今までと同じ日常に戻ることが出来ました。

そんないなりの前に突如現れたのがうか様の兄である『大年神(おおとしのかみ)』でした。

大年神、通称『とし様』は変化の神通力を使って『いなり』に変身してやりたい放題なことをしでかします。とし様はかわいいかわいい大事な妹のうか様から神通力を奪ったいなりに嫌がらせをしにわざわざやってきたのでした。暇人。いや、暇神。

一方でとし様が大っ嫌いで逃げているうか様は、無意識のうちにいなりの匂いにつられて伏見家へとたどり着きます。そしてうか様はいなりの兄である燈日と出会います。燈日はうか様のことを敵対視し邪険に扱いますが、うか様はそんなことよりも燈日の部屋にあったゲーム機が気になるようで……。 

そしていなりは新神歓迎会に出席するために再び高天原を訪れます。そこでいなりは稲荷大神五柱の一神である『大宮能売神様(おおみやのめのかみさま)』通称『ミヤちゃん』に出会い、うか様が高天原から出て行き人間界に引きこもっている理由を知ります。 

いなりは新神歓迎会において男神たちの態度に憤慨し、その気持ちのままに神通力を使い力を暴走させてしまいます。それに呼応するかのように、伊奈理神社にいたうか様は急激に具合が悪くなり倒れてしまい……。

お兄ちゃんズ

本書の第2巻には新たな主要キャラとして、いなりのお兄さん『伏見 燈日(ふしみ とうか)』と、うか様の兄様『大年神(おおとしのかみ)』が大きく物語に絡んできます。

燈日はすでに1巻から登場していますが霊感を持っているためにうか様を見ることが出来る人間です。そのおかげで幼い頃にうか様のことをお化けだと信じ込んだため、彼のトラウマになっています。だから中二病になっちゃったんやな、悲劇やな。

燈日はうか様のことをいなりに悪さをしている邪悪なお化けではないかと疑っていて、うか様に対して敵対的な態度で接します。

いなりの兄『伏見燈日』 いなり、こんこん、恋いろは。第2巻50ページより

いなりの兄 『伏見燈日(ふしみ とうか)』 
いなり、こんこん、恋いろは。第2巻50ページより

しかし、うか様に対する誤解も次第に解けていき、燈日もいなり同様にうか様の友人となっていきます。

余談ですけど、ニコニコ大百科の中二病の項目にさっそく伏見燈日が追加されていて吹いt

そしてもう一人うか様の兄である『大年神(おおとしのかみ)』、通称『とし様』というキャラも本書から登場します。このとし様、とにかく女性に目がなく妹であるうか様のことを愛してやまない変態です。変態です。大事なことなのでry

このとし様、うか様からは大いに嫌われており、うか様が家出をして神社に引きこもっている一つの要因であったりします。そりゃあこんな兄がいたら家も出たくなる。

うか様の兄である『とし様』 いわゆる変態 いなり、こんこん、恋いろは。第2巻26ページより

うか様の兄である『大年神』、通称『とし様』。
いわゆる変態。ド変態。
いなり、こんこん、恋いろは。第2巻26ページより

このとし様が現れると大体ギャグパートに突入します。特にいなりやうか様の変顔や感情の起伏が飛び出てくるので、恋愛パートとギャグパートのテンポを良くしてくれます。さすがとし様!イケメン!

結構不意打ちでとし様現れて笑わしてくるので、うざいけど愛されるタイプのキャラです。

いや、うちは結構好きですよ、とし様。

弥坂神社で不意打ち登場したときは吹きました。

うか様と燈日

『いなり、こんこん、恋いろは。』はいなりの恋物語であると同時に、うか様の恋物語でもあります。

うか様は神様の世界『高天原』において、『正一位(しょういちい)』という最高位の地位にある神様です。

簡単に正一位について解説すると、正一位というのは『位階(いかい)』及び『神階(しんかい)』における最高位を意味します。

位階は603年に律令制を基に冠位十二階の制度として始まりました。官人に対して与えられた地位や階級の制度のことです。これが673年に神道の神様や神社に対しても与えられて神階と呼ばれました。つまり人の階級を表す制度を神様にも適用したわけです。

『いなり、こんこん、恋いろは。』に出てくる伊奈里神社は京都に実在している『伏見稲荷大社』がモデルになっており、アニメ化の際には全面バックアップで協力しています。この伏見稲荷大社が祀る神様が稲荷大神、いわゆるお稲荷さんのことでこの神様が正一位なのです。このお稲荷さんの主祭神が宇迦之御魂神、うか様というわけです。

 → 伏見稲荷大社 公式サイト

より詳しくは下記のWikipediaなどを参照してみてください。位階の制度は時代ごとに変遷しながら今現在も続いています。神階の制度自体は明治時代に廃止されたようですが、呼び名は今でも残っているのですね。

 → 位階 wikipedia

 → 神階 wikipedia

 → 正一位 wikipedia

さて、そんな最高位の地位を持っているうか様ですが、高天原にいた頃にはその地位を目当てに多くの男神たちが言い寄ってきていました。さらにはとし様がうか様に愛を強いてくるため、愛に対して疑心暗鬼になってしまい自分の存在意義にすら疑問を抱いてしまっていたのです。

毎日を憂鬱に過ごすうか様でしたが、ひょんなことで二次元に出会い、その魅力溢れる世界に浸るようになってしまい、ついには高天原を出て行ってしまうのです。ミヤちゃんが余計なもの渡すから

うか様は沖田さん派 いなり、こんこん、恋いろは。第2巻128ページより

うか様は沖田さん派
いなり、こんこん、恋いろは。第2巻128ページより

うか様にとって愛は信用出来ないものであり、だからこそ“決して裏切らない”二次元は素晴らしいものなのです。だめだなこの神様。

しかし、神の地位に関係ない“人間”の異性の友達が出来たことでうか様の心境にも変化が訪れていきます。燈日はうか様にとって、初めて一緒にゲームを遊んでくれた異性の友達なのです。

うか様にとって燈日は初めてゲームを遊んでくれた人間の男友達。 いなり、こんこん、恋いろは。第2巻184ページより

うか様にとって燈日は初めてゲームを遊んでくれた人間の男友達。
いなり、こんこん、恋いろは。第2巻184ページより

2巻の時点では二人の関係は恋愛と呼べるようなものではありません。

うか様はいなりに神通力を与えたことを燈日に隠しているため、燈日はまだうか様に疑いの目を向けていますし、うか様は単純に友達と初めてゲームを遊んだことが嬉しいだけのように見えます。

しかし、物語が進む中でこの二人の関係も進んでいき目が離せなくなってくるのです。

燈日とマリカーやってるうか様まじかわいいかわいい。

二巻の感想

この2巻はアニメでのカットシーンが多いので、是非読んで欲しい巻だと思います。中でも墨染さんのストーリーはお気に入りで、墨染さんといなりが仲良くなっていくところが本当にかわいいのです。かわいくて男子にもてて頭も良い墨染さんに単純に惹かれていたいなりですが、彼女と接するうちに墨染さんの悩みや苦労も知っていき、二人は本当の友達になっていきます。さらには墨染さんに好きな人が出来て……それは2巻以降のお話。

それと丹波橋くんもこの巻ではたくさん登場してくれます。本当彼は良い子ですね。かっこいいね。いなりの恋が成就することを願いたくなるくらいに。丹波橋くん自体はよくあるような恋愛には鈍いキャラなので、色々とやきもきはしてしまいますが、ゆっくりと二人の仲が深まっていくので読んでいてちょうど良い心地よさを覚えるのだと思います。 

そして肝心のいなりの神通力に関しては、いなりが無茶な力の使い方をするとうか様に悪影響が出ているようで心配な展開になってきます。今後、何かとんでもないことが起こってしまうのではないかとハラハラしてしまうのです。

でも、きっといなりとうか様ならなんとかなるはず。

そんな明るさを持って読むことの出来るマンガだと思います。そこがいいね。

巻末おまけマンガ

単行本では巻末におまけのショートストーリーが掲載されることがあって、これがまた面白いのです。

単行本の醍醐味の一つです!

巻末のおまけマンガ うか様はアニメのチェックもかかさない いなり、こんこん、恋いろは。第2巻192ページより

巻末のおまけマンガ
うか様はアニメのチェックもかかさない
いなり、こんこん、恋いろは。第2巻192ページより

うか様! あなたのアニメが神クオリティだがな!