私はヤモッチャンが好きだ!

ニンジャスレイヤーの中でも屈指の人気を誇るキャラクター、ヤモッチャンことヤモト・コキ! ニンジャソウルに憑依されたことで普通の女子高生としての生活は一変し、波乱の人生を送ることになる女の子です。その可愛らしい容姿や健気な性格、そして過酷な中でも強い意志を持って戦い抜く姿に、多くの読者が拍手喝采を送ったことでしょう!ウィーピピー!

そのヤモッチャンが本書【ゲイシャ危機一髪!】でついに表紙デビューだ! 逃亡生活を続けるヤモトでしたがソウカイヤが崩壊したことで少しは落ち着きを取り戻し、第2部以降もニンジャスレイヤーの第2の主人公として我々読者に活躍する姿を見せてくれるのです。

それではニンジャスレイヤーの第2部【キョート殺伐都市】の第2巻、【ゲイシャ危機一髪!】の感想と紹介を書いていきましょう。

なんでヤモト=サンはヤモッチャン?

ニンジャスレイヤーのファン(通称「ヘッズ」)の間ではヤモト・コキのことを ヤモッチャン と呼ぶことがあります。愛称として親しみを込め、私もよくヤモッチャンヤモッチャンと言っています。ヤモッチャンって響きがカワイイ。ヤモッチャン。

ちなみにこの愛称、何が由来なのかというと【ザ・ヴァーティゴ】という人物が関係しています。

書籍やツイッター上では読者からの質問に、ザ・ヴァーティゴ=サンという変なニンジャが回答をしてくれる【インタビュー・ウィズ・ニンジャ】という企画が行われています。折に触れ様々な質問にザ・ヴァーティゴ=サンがフランクに応えてくれる楽しい企画です。2013年の5月頃に行われたこの質問コーナーで、ザ・ヴァーティゴ=サンがヤモッチャンという単語をおそらく初めて使用しました。

質問と回答にも突っ込みどころ満載ですが、ザ・ヴァーティゴ=サンがヤモトのことをヤモッチャンと呼んだことが衝撃でした。このときのファンの反応が以下のリンク先で読めます。……ところで本当に見えないの?ホントに?

→ 上記質問回答に対するファンの反応

私は最初期から作品を追っているわけではないので確信はありませんが、おそらくこれがヤモッチャンの由来だと思われます。以前からヘッズの間でヤモッチャンと呼ばれることがあったかもしれませんが、少なくとも一般化したのはザ・ヴァーティゴ=サンの発言が元ではないでしょうか。ザ・ヴァーティゴ=サンの発言にヘッズの方々も驚いているようです。

公式がヤモッチャンと呼んだことでヘッズの間で広まり、愛称として浸透していったようです。ネット上で検索すると2013年の夏頃からヤモッチャンという呼び方が見受けられます。それにしてもヤモッチャンという響きが本当にカワイイな。ヤモッチャンヤモッチャンヤモッチャン。もうヤモッチャン大人気。

そして余湖先生によるニンジャスレイヤーのコミカライズの第3巻にはヤモッチャン主役のエピソード【ラスト・ガール・スタンディング】の完結編が収録されています。2014年12月にはヤモッチャンのフィギュアも発売され、ヤモッチャンのなんか高まりを感じます。そして2015年はアニメで動いてしゃべってカワイイなヤモッチャンだ! ヤッター!

ゲイシャ危機一髪! 掲載エピソード

本書【ゲイシャ危機一髪!】には以下のエピソードが掲載されています。リンク先は全て【ニンジャスレイヤー Wiki*】の該当エピソードのページです。

モータル・ニンジャ・レジスター(Mortal Ninja Register)

ゲイシャ・カラテ・シンカンセン・アンド・ヘル(Geisha Karate Shinkansen And Hell)

クライ・ハヴォック・ベンド・ジ・エンド(Cry Havoc Bend The End)

ライズ・オブ・アマクダリ(Rise Of Amakudari)(書籍限定)

ウェイティング・フォー・マイ・ニンジャ(Waiting For My Ninja)

デス・フロム・アバヴ・セキバハラ(Death From Above Sekibahara)

この中から【ライズ・オブ・アマクダリ】とヤモッチャン登場エピソード【ウェイティング・フォー・マイ・ニンジャ】を紹介していこうと思います。

ライズ・オブ・アマクダリ

ニンジャスレイヤーの手によりソウカイヤの首魁ラオモト・カンは倒されました。しかしこれでソウカイヤが全滅したわけではなく、残党たちによる生き残りをかけた戦いが密かに幕を開けます。

ラオモト・カンの末子であるラオモト・チバもその一人であり、ソウカイヤの後継者争いで真っ先に行動を起こした兄のヨルジによって絶体絶命の危機に陥ります。しかし、ニンジャネームすら持たないソウカイヤのニュービーニンジャ、オニヤス・カネコの奮闘によりチバは窮地を救われます。

チバはオニヤスと共に、生き残りをかけた戦いへと赴くのでした……。

→ ライズ・オブ・アマクダリ(Rise Of Amakudari)(書籍限定)

この【ライズ・オブ・アマクダリ(Rise Of Amakudari)】は本書限定公開のエピソードなのでネットでは公開されていません。しかしながらその内容は第2部【キョート殺伐都市】から第3部【不滅のニンジャソウル】へ続く序章にあたり、第3部における超重要エピソードの位置づけにあります。

ネット上で公開されているエピソードのみを読んでいる方もいらっしゃると思いますが、このエピソードを読んでいるかいないかで第3部のイメージはだいぶ変わることでしょう。その一点だけでも本書を購読する価値はあります。

このエピソードの主人公はラオモト・カンの末子である【ラオモト・チバ】です。チバは第3部における敵組織【アマクダリ・セクト】のボスとなる少年で、12歳という幼い年齢ながらも幼少の頃より帝王学の英才教育を受けており、人の上に立つ者としての自覚も才能もある優秀な人物です。

しかしソウカイヤが崩壊したことで彼も行き場を無くしてしまいます。さらにラオモトの血筋の者たちによる後継者争いがすぐさま勃発しチバは兄に命を狙われることになるのです。ソウカイヤが崩壊した後の混乱から彼がアマクダリの首魁として組織を旗揚げするまでを描いたのが、この【ライズ・オブ・アマクダリ】のエピソードになります。

アマクダリが誕生する以前のチバやオニヤス、そしてアガメムノンたちの会話は一読の価値があります。第3部を読み進める上でも彼らのキャラクターがより鮮明に見え、物語に大きな厚みを持たせてくれることでしょう。オニヤスかわいいよオニヤス。

ウェイティング・フォー・マイ・ニンジャ

ここはネオカブキチョの一角、ニチョーム・ストリート。セクシャル・マイノリティー達が集い自由を謳歌する歓楽街。

ザクロはバー【絵馴染】を営む傍ら、ニチョームの女王として様々なトラブルを解決する町の顔役でした。時には穏便に、時には政治的に、そして時には暴力的に。ザクロはニンジャ装束に身を包み、ネザークイーンとなって戦います。そう、彼はニンジャだったのです。

ある日ザクロは一人の少女に出会います。一人放浪を続ける宿無しの少女を放っておくことが出来ないザクロは、彼女に住む部屋を与え、服を与え、そして優しく接したのでした。

その少女、ヤモト・コキは、ザクロに恩を返すために彼の仕事を手伝う決意を固めます。折しもニチョームでは謎の猟奇殺人が頻発しており、ヤモトとザクロは犯人を捜すために夜の町へと飛び出すのでした……。

一方その頃、キョートにいるはずのニンジャスレイヤーはシルバーキーという名のニンジャと共にネオサイタマにいました。彼らには何らかの目的があるようで……。

→ ウェイティング・フォー・マイ・ニンジャ(Waiting For My Ninja)

いよいよヤモッチャン主役のエピソード! と思いきや、主役の座にいるのは圧倒的に【ザクロ=サン】です。

ニンジャスレイヤーの物語の中でも圧倒的な女子力を誇るザクロ=サン。でも男! このエピソード以降もニチョームの女王として、そしてヤモトの良き理解者として、物語に大きく絡んでくるキャラクターです。ヤモトはザクロ=サンに出会ったことでニチョームで暮らすようになり平穏な生活を少しだけ取り戻すことが出来ます。

優しい笑顔でヤモト=サンにお化粧をするザクロ=サン。お化粧に慣れてないヤモッチャンはちょっとくすぐったそう。書籍【ゲイシャ危機一髪!】p.353扉絵より
扉絵に描かれているザクロ=サンとヤモト=サン。お化粧に慣れていないヤモッチャンがくすぐったそうですごくカワイイ。
私はこの二人の関係がすごく好き。【ゲイシャ危機一髪!】p353より

情に熱く、奥ゆかしく、そして頼りになるザクロ=サンは本当に魅力的なキャラクターです。まだまだ子供であるヤモトも彼に出会ったことで精神的に、そしてカラテ的にも大きな成長を遂げることになります。本書の表紙にも描かれている二人はすごく魅力的なコンビで、今後彼女たちが登場するだけでなんだかワクワクしてしまうことでしょう。

このエピソードで一番スポットライトが当たっているのはザクロ=サンですが、やはりヤモッチャンからも目を離すことが出来ません。ネオサイタマをたった一人で放浪していたヤモトが、ザクロ=サンに拾われ、そして認められたときに流した涙には、感動と同時に心からホッとする思いでした。ようやくヤモッチャンにも心安まる場所が出来たのです。ヨカッタネ、ヤモッチャン、ヨカッタネ……。

そしてもう一つ気になるのがキョートからネオサイタマへと戻ってきたニンジャスレイヤーと、彼に同行しているシルバーキーという名の新たなニンジャの存在です。何か目的がある二人のようですが一体何をしにネオサイタマへとやってきたのでしょうか。とても気になるところです。

ゲイシャ危機一髪! を読んだ感想

とにかく第2部はキャラクターがすごく濃いです。本書では第1部から登場しているジェノサイドやサワタリ、ダークニンジャ、そしてヤモトなどのキャラクター性がより深く掘り下げられますし、第2部からのガンドーやシルバーキー、ザクロにザイバツのグランドマスター、そして第3部の敵であるアマクダリまでもが登場して賑やかになっていきます。読み応えのあるエピソードが続くので面白さは否応無しにも増していきますが、その分疲労もたまります。見た感じは軽そうな物語ですが、ニンジャスレイヤーの文量や中身の濃さは結構半端ないです。

エピソードの合間合間に挟まれるザ・ヴァーティゴ=サンの質問コーナーが癒やしに感じられます。読者からの質問に対してなんかどうでもいいような適当な回答をしているザ・ヴァーティゴ=サンの緩さに癒やされるのです。癒やし系ピンク。

でも先述したヤモッチャンの呼び名みたいに時折見逃せない回答もしているので要チェックです!

そしてキャラクター性と言えば、我らが主人公のニンジャスレイヤーを忘れるわけにはいきません。【モータル・ニンジャ・レジスター】では改めて殺戮者としてのニンジャスレイヤーに恐怖を感じますし、一方で殺すべきターゲットのニンジャ一覧をビラにしてばらまくフジキドの行動には少しくすりと笑ってしまいます。元々根が生真面目なフジキドですから真剣さと頓珍漢なところが紙一重なのも彼の魅力です。

そして前巻収録の【シー・ノー・イーヴル・ニンジャ】でまさかの敗北を喫したニンジャスレイヤー! その続編となる【デス・フロム・アバヴ・セキバハラ】は本書の最終エピソードで、第2部序盤における一つのクライマックスになります。

いきなりザイバツ最高幹部の一人であるイグゾーションとの決戦が描かれるのですが、これがまためちゃくちゃ燃える展開な上に、フジキドに憑依した謎の【ナラク・ニンジャ】の正体へとほんの少し踏み込む内容なので目を離すことが出来ません。

ナラクとは何なのか? これは第2部における一つの大きなテーマです。他のニンジャソウルとは何か異質なところを秘めているナラク・ニンジャの謎は、ニンジャスレイヤーの世界観にも関わってくる大事なところです。そしてこのナラクと生涯付き合わねばならないフジキドの人間性も物語の主役として決して見逃すことの出来ない醍醐味の一つだと私は思います。

ナラクに対して謝罪するフジキドの姿に、彼の人間性が垣間見えるような気がしました。