橙乃ままれは好きな作家の一人です。

ネットで『まおゆう魔王勇者』の存在を知り、そのあまりの面白さにすっかりファンとなりました。アニメはどうしてああなった\(^o^)/

しかしこれからご紹介するのは『まおゆう』ではなく、『ログ・ホライズン』を紹介しようと思います。

『ログ・ホライズン』は『小説家になろう』というサイトで橙乃ままれが執筆していたWeb小説です。その後出版が始まり、現在は第6巻まで発売されています。しかしWebの連載も継続中ですので今でも読むことが出来ます。

 → 小説家になろう ログ・ホライズン

新しい章もWebで公開されてから加筆修正をして出版されていますので、いち早く物語の続きが知りたいときは上のページをチェックです!

今年の秋にはアニメ化も決定し、何かと話題沸騰中の『ログ・ホライズン』。

これから数回に分けてこのシリーズを紹介していこうと思います。

物語の舞台は<エルダー・テイル>という架空のMMORPGの世界です。

<エルダー・テイル>は20年もの歴史を誇る大人気のオンラインゲームで、日本人だけでも10万人、世界中では2000万人ものプレイヤーが参加するという、まさに全世界規模のオンラインゲームです。

主人公のシロエは<エルダー・テイル>をこよなく愛するプレイヤーの一人で、その日もいつものようにパソコンに向かいゲームを楽しんでいました。

いつもと変わらぬゲームの風景、しかし、ふと気がつくとその景色は一変し・・・・・・。

後に<大災害>と呼ばれたその日を境に、<エルダー・テイル>の世界に囚われたプレイヤーたちの生きるための戦いが今始まります!

現在『ログ・ホライズン』は第6巻まで発売しており、2013年の秋にはNHKでアニメ化が決定しています。まさにこれから話題になる一作と言えるでしょう。

   → NHKアニメワールド ログ・ホライズン

『ログ・ホライズン』は、ゲームの世界にプレイヤーが囚われ元の世界への帰還を目指す、いわゆる異世界物語です。異世界のベースにオンラインゲームを取り上げていて、近年であれば『ソードアート・オンライン』などが話題になったジャンルです。

ゲームの世界に囚われたプレイヤーが数々の困難を通して成長し、元の世界へ帰還することがこのジャンルの物語の主軸となります。そこには怖ろしい敵の存在や人間同士の争い、死の恐怖や生への喜びが大きな主題を占め、バーチャルがリアルに置き換わるところに物語としての面白さがあります。

『ログ・ホライズン』もその伝統に沿っていますが、独特の面白さの要素として『プレイヤーの圧倒的な強さ』があげられます。

ゲーム世界での死 = 現実世界での死

これはこのジャンルの多くに見られる設定ですが、『ログ・ホライズン』にはこの設定がありません。

異世界での死は、ゲームと同様に一定のペナルティを支払った上での復活で表現されます。つまり現実のゲーム同様、経験値やアイテムを失う代わりに無条件で復活することが出来るのです。どんな怪我を負っても、それこそ腕や頭がもぎ取られるようなことがあっても、元の健康な体に戻ることが出来るのです。

プレイヤーたちは<エルダー・テイル>というゲームの能力をそのまま引き継いでいます。この舞台設定が従来の異世界ゲームのジャンルとは一線を画している要素でしょう。少しだけ主だったものを挙げてみます。

・プレイヤーの半数ほどは最高レベルの90レベルに達している。

・冒険者としてのスキルや装備アイテムは全て使用出来る。

・プレイヤーは死なない。

<エルダー・テイル>における冒険者、つまりプレイヤーは一般人とは別格な存在です。身体能力、戦闘力、そして財産もその世界の一般人に比べて桁外れのものを持っています。最高レベルの冒険者ともなれば、まさに伝説級の力を持っているのです。

つまり一言で言えば、『プレイヤーたちは生き残るためのサバイバルをする必要がない』のです。どんなモンスターに襲われようが、危険なダンジョンへ出向こうが、絶対に死なないのですから。

過酷なサバイバルとの謳い文句が上の紹介動画でも出てきますが、単純に生き残るだけならば困難なことは何一つないというのが大きな特徴です。

この舞台設定は間違いなく『ログ・ホライズン』の面白さの一つです。

突如異世界へと飛ばされてしまったプレイヤーたちですが、その異世界はゲームの中で何度も冒険をした慣れ親しんだ世界です。しかも冒険者として高い能力を持っているプレイヤーたちは決して死ぬことがありません。

では、死の恐怖がない世界で人は正しく生きられるのか。それが物語の一つの軸としてストーリーを動かしていきます。

結果として、<エルダー・テイル>の世界に囚われた多くのプレイヤーは生きる気力を失っていきます。元の世界に帰るあてもなく、生きるために働く必要もなく、かといって自ら命を絶つことも許されず・・・・・・。また一方で、殺されても死なないという事実は人々の倫理観すらも変えていきます。少しずつ、少しずつ、プレイヤーたちが集うアキバの街にはギスギスした雰囲気が充満し始めます。

そしてその現状にNOを突きつけるのが主人公の『シロエ』です。

『ログ・ホライズン』は異世界からの生還を目指す物語ではありません。

もちろん最終的には元の世界へと帰ることが大目標ですが、現時点では何一つ手がかりがなく、当面の間はこの謎の異世界で暮らしていかなければならないという状況なのです。

その状況下で、元の世界への生還方法も分からず、死という概念もなく、プレイヤーたちはただただ目的を見失っていきます。主人公のシロエはこの現状を打破し、プレイヤーたちに“生きる”目的を見出そうと動き始めます。

そしてこの異世界で困難を乗り越え生きていくために、シロエや仲間たちは力を合わせて戦っていきます。これこそが、私が『ログ・ホライズン』に惚れ込んだ理由です。

シロエを筆頭に行動を起こす面々は死にたくないから戦うのではなく、“目的を持って生きるために”戦うのです。倫理観や人同士の関わりを大事にし、生きるということを真面目に考えるところにこの物語の面白さがあります。

そして何よりも、<エルダー・テイル>というオンラインゲームの舞台設定が絶妙なバランスで物語を引き立てます。オンラインゲームをやったことがある人であれば、思わず『なるほど~』と頷いてしまうようなギミックがいっぱい出てきます。

さらに主人公のシロエが参謀タイプというのも面白い点です。熱血的な主人公でもパワータイプの主人公でもなく、常に一歩下がったところから物事を客観視し、冷静に自分のリソースを判断して行動するタイプです。そしてそれが、“腹黒めがね”の異名を持つほどにえげつないところがまた面白く、やるときは徹底的にやるという行動力がシロエの魅力です。

本書の第1巻『異世界のはじまり』は世界背景の解説が中心を占めていて、今後の展開を広げる要素があちらこちらにちらばってはいますが、まだ物語の導入に過ぎません。

物語が本格的に動き始めるのは第2巻からです。ですから私は、是非とも『ログ・ホライズン』の第1巻を読んだだけで良し悪しは判断せずに、第2巻までは読んで欲しいと思っています。

私は第2巻での怒涛の展開を読み、『ログ・ホライズン』という物語に強く惹きつけられました。

『ログ・ホライズン』は第1巻から第5巻までが第1部という位置づけです。現在は第6巻が最新刊ですが、ここからが第2部というわけです。

第1部では<エルダー・テイル>の世界に囚われた主人公たちの奮闘を描き、今後この異世界でどう生きていくのかを方向付ける序章となっています。そして第2部からの物語は主人公たちの周囲だけには留まらず、全世界規模へと発展していきます。<エルダー・テイル>は全世界規模のオンラインゲームですので、物語は主人公たちのいる日本サーバーだけには留まらないのです。

おそらくアニメでは第1部が描かれることになると思います。どのような出来になるかはまだまだ分かりませんが今からとても楽しみです。そして第7巻もアニメ開始時期に発売を予定されていますので、ますます『ログ・ホライズン』から目が離せません。