もうすぐ2014年が終わりを告げ、新年を迎える時期となって参りました。

この1年間を振り返ってみると様々な出来事がありました。楽しかった思い出も、つらかった思い出も、多くのことがあった実り多き1年間だったと思います。私的なことでは部屋で観葉植物を育て始め、月日が経つたびに鉢が増えて部屋が緑色になっていく幸せな年でした。

さておき、この記事では【2014年、心が揺れ動いた5冊の本。】と題して、この一年間に私が読んだ本の中から印象の深い、お気に入りの5冊を簡単にご紹介しようと思います。あくまで読んだ本を取り上げますので、必ずしも2014年に発売した本だけに限らない点はご注意ください。

1冊目【This is the Life】

本書はイギリスの小説家アレックス・シアラーの小説です。

シアラーは私の好きな作家の一人で主に児童文学のジャンルで世界中から人気を集めています。ただ、本書は児童文学のジャンルではなく、シアラー本人の体験を元にして描かれた自伝的なフィクション小説になります。その意味でも過去の作品とはやや毛色が違う珍しい作品と言えるでしょう。その上で私は本書を読んで次のように感じました。

どんなシアラー作品よりもこれは面白い! 間違いなくシアラーの最高傑作です

この【This is the Life】は脳腫瘍を患い死へと歩むルイスと、そんな兄を支え続けたの物語です。心躍る冒険譚も、感動的な恋愛劇も、この物語にはありません。文章はどこまでも精緻でユーモアに溢れ、淡々とシアラーの巧みな手で紡がれていきます。それでいて読了後には大きな満足感と温かい気持ちに包まれ、とても幸せな読書体験を味わいました。

本書にはルイスという一人の男の生きた人生が描かれています。その人生を言葉に現すのはとても難しく簡単なことではありませんが、決して目の逸らすことの出来ない大事なことがあるのだと私は感じました。くだらない人生かもしれませんが、だからこそ、そこに意味が宿るのです。

本書については以前記事に書いています。より詳しく知りたい方はこちらも参考にしてみてください。

2014年5月28日の記事 【読書感想・紹介】 This is the Life

2冊目【旅猫リポート】

本書は有川浩による小説で発売は2012年になります。有川作品は元々大好きなのですが本書は未読でしたので、今年になってようやく読んでみました。

タイトルにも猫とあるように、これは猫のナナ飼い主のサトルの物語です。長年連れ添った一人と一匹でしたがサトルの都合によりナナを手放さなければならなくなり、古くからの友人を訪ねてナナの新しい飼い主を探す旅をするというストーリーになっています。

陳腐な感想で申し訳ないのですが私は本書を読んで感動し、めちゃくちゃに泣きました。クライマックスに向けて漂い出す香りに感情が揺らされ始め、最後の方のページは一行一行を読むたびに涙が流れてしまいました。切なく悲しい展開なのに心は温かいぬくもりに満ちて、どうしようもなく感動の涙が溢れてくるのでした。

しかし、思いっきり泣いた後というのは不思議と気持ちのいいものでもあります。この本は有川作品の中でもおすすめで、特に猫好きの方には押し寄せるものがある物語だと思います。ただ、電車の中やカフェといった人前で読むのはご注意くださいませ。泣きまくって大変なことになるかもしれませんよ。

本書についても以前記事に書いています。より詳しく知りたい方はこちらも参考にしてみてください。

2014年1月14日の記事 【読書感想・紹介】 旅猫リポート

3冊目【ニンジャスレイヤー】

間違いなく今年読んだ本の中で最もインパクトがあったのは【ニンジャスレイヤー】です。すぐさまこの作品の虜になり、夢中で読み漁りました。

近未来都市ネオサイタマを舞台にニンジャの戦いを描いた作品と聞き、ストーリーや設定を知るたびに「なんだこのギャグ小説www」とか思いながらも読み始めてしまったのが私の運のつき。いや運が巡ってきたのです。

アイエエエ! この小説めちゃくちゃ面白い!

単なるギャグ小説かと思いきや、魅力的なキャラクターや練りに練られた圧倒的な世界観、そして想像もつかなかったようなストーリー展開の数々に、はっきりと言って度肝を抜かされました。さらに作品としての面白さだけではなく、Webを利用した作品展開や仕掛けなども興味深く、個人的には将来古典になり得る歴史的な作品だとすら思っています。

この作品は2014年に限らず2015年以降も注目に値する作品です。ほんとに目が離せない!

本書についても以前記事に書いています。より詳しく知りたい方はこちらも参考にしてみてください。

2014年4月25日の記事 【読書感想・紹介】 ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上 1

4冊目【ハクメイとミコチ】

こちらは小説ではなく漫画ですが、今年読んだ漫画の中で最もお気に入りの作品ですのでご紹介したいと思います。

タイトルにもあるようにハクメイミコチという小人の女の子が主人公の物語です。森の中や町での暮らしを描いた作品で、虫や動物たちも一緒に暮らしているというファンタジー要素の濃い世界観になっています。

この漫画に惚れたのは世界観がとにかくすごいと感じたところにあります。キャラクターはかわいくて魅力的ですし、小人視線からの広大な自然や小物の数々といった背景の描き込みも丁寧で、ページをめくるたびにそこにある世界の空気が流れ込んでくるようでした。

そして何よりも素敵なのが、食べ物がすんごいおいしそうなのです!

ミコチは料理が上手で何かあるたびにおいしそうな料理を作りますし、ハクメイはとても幸せそうにご飯を食べます。その二人を見ているだけでこちらもお腹がすいてきてしまうほどです。

新年早々の2015年1月には最新刊の第3巻が発売されます。今後がすごい楽しみな作品で、近いうちに感想レビューの記事も書きたいと思っています。

5冊目【その本の物語】

2014年に読んだ本の中から最も大好きな本を挙げるのでしたら、私は【その本の物語】を選びたいと思います。こちらは上下巻に分かれている文庫小説で2014年に発売されました。

物語は主人公の南波が本を朗読することで進んでいきます。南波の親友である沙綾は病院に入院したまま目を覚まさず、長い眠りの中にいる状態が続いています。南波は沙綾が目を覚ますことを願い、昔小さい頃に二人が一緒になって読んだ本【風の丘のルルー】を朗読し続けます。眠る沙綾に想いが通じるように、声が届くように、来る日も来る日も朗読を続けているのです。

この小説はやや面白い構成になっていて、小説の中で小説を描くという劇中劇の二重構造になっています。南波の朗読を通じて描かれる物語は【風の丘のルルー】という作品で、これはご存じの方もいらっしゃるかもしれませが同著者の過去作品です。

【その本の物語】と【風の丘のルルー】の二つの物語が幾重にも重なり合ってストーリーは進み、物語に大きな厚みを持たせてくれます。二重の面白さを持った作品であり、かつルルーの読者であった人にとっては過去の思い出を想起させる宝物のような小説でもあると思います。

残念ながら私にとっては本書が初の村山作品でしたのでルルーのことは知らずに読みました。それでもすごく楽しめる面白い作品であり、深く心が揺れ動いた大好きな本となりました。

本書についても以前記事に書いています。より詳しく知りたい方はこちらも参考にしてみてください。

→ 2014年7月18日の記事 【読書感想・紹介】 その本の物語 上巻

→ 2014年7月30日の記事 【読書感想・紹介】 その本の物語 下巻

最後に

以上の5冊がこの2014年に読んだ本の中でのお気に入り作品たちになります。もちろん、ここでご紹介した以外にも面白い本はたくさんありました。

例えば有川浩の新作【明日の子供たち】、先生!シリーズの【先生、ワラジムシが取っ組みあいのケンカをしています!】、アニメにマンガにはまってしまった【いなり、こんこん、恋いろは。】、個人的に懐かしめの作家作品に出会った竹宮ゆゆこの【知らない映画のサントラを聴く】、橋本紡の【流れ星が消えないうちに】などなど、色々な本に出会えました。

ただ、改めて2014年を振り返ると参考書や実用書などに結構お金をつぎ込んだので、趣味としての読書へ回すお金や時間が少なくなってしまったのはちょっと残念でした。仕方のないことではありますが、もっと読みたい本はたくさんあったのです。その分来年はいっぱい本を読みたいと思います。

さて、最後まで読んでいただいてありがとうございました。あなたは今年2014年にどんな本と出会えたでしょうか? 面白かった本やお気に入りの本はありましたか? この一年間に読んだ本を思い返しながら、一年間という年月を振り返ってみるのも案外楽しいかもしれませんよ。