きましたきました! タヌキ!

個人的に第1部の中ではタヌキ・メリクリ・スワンソングあたりが大好きなエピソードなので、それはそれは楽しみにしていました。タヌキという響きもネタもすごく好きです。

ところでニンジャスレイヤーは同じエピソードでも媒体ごとに見方が大きく変わる作品です。

私の場合、タヌキの原作小説ではコトダマ空間の世界観やタヌキの仕掛けがすごく面白いと感じましたし、コミカライズではサワタリの格好良さや狂気、熱い戦闘シーンにグッときました。そしてアニメイシヨンではナンシー=サンカワイイヤッター! ノトーリアス=サンカワイイヤッター! と各媒体を経ていくたびに新たな面白さが見えてきます。

アニメイシヨンは尺が短いですし、それだけでは見えてこない楽しさもあるはずです。よりタヌキを楽しむためにも、是非、原作小説やコミカライズも読んでみることを私はおすすめしたいと思います。

それではアニメイシヨンの第9話と第10話、【ワン・ミニット・ビフォア・ザ・タヌキ】の感想と紹介を書いていきます。

第9話の感想

キタキタキマシタ!タヌキがキマシタ!

もう少し後でやるかと思っていましたが、早速ナンシー=サン大活躍回の【ワン・ミニット・ビフォア・ザ・タヌキ】がやってきました。

いきなり冒頭から謎の無言タイムでした。アレをどう捉えるのかはなかなか難しいような気がします。尺稼ぎとも言われるし、コトダマ空間の静謐さとも言えるし、フジキドとナンシーの思考速度・タイプ速度の差とも言えるでしょうし、まあとりあえず「ワオ……ゼン……」とつぶやいておけばいいのではないでしょうか。

さて、タヌキということでいよいよコトダマ空間が登場しました。コトダマ空間はニンジャスレイヤーの世界観において最重要のキーワードの一つです。第1部ではそこまで踏み込みませんが、決して無視することは出来ません。しかし、正直なところ。本当に正直なところ!

コトダマ空間を視覚的に描写するのは相当に困難だと私は思っています。

コミカライズもアニメイシヨンも光る点はあると思いますが、原作小説を初めて読んだときに感じた分けの分からないイメージを表現しきれたとは思えませんでした。どこかで見たことあるような描写ばかりが目立ち、あまり驚きは感じません。

それが別に悪いとは思いません。理解しやすいという点で評価は出来ます。しかし私は、コトダマ空間にある種の恐怖を感じています。あの世界観に触れたときに感じた得も言えぬような肌がざわめく感じ、現実と夢の境界を把握出来ない不安と恐怖、そこを私は求めてしまいます。

小さい頃、風邪で寝込むとよくコワイ夢を見ていました。何がコワイのかよく分からないのですが、ただただ本能的に恐怖を感じる夢です。何もない真っ白な世界を一人で歩いていたり、山よりも大きな目がずっとこちらを見ていたり、突如地面がなくなってどこまでも空を落ちていったり……。そして目が覚めると熱のせいで頭はボーッとしていて夢の内容が理解出来ないばかりか、今自分が起きているのかそれともまだ夢を見ているのかも分からないのでした。汗で身体はびしょびしょで、分けもわからないのに目からは涙が流れています。そんな経験、ありませんか?

その恐怖を私はコトダマ空間に感じています。そして、それを視覚化することは相当に難しいのではないでしょうか。試みたところで本当に理解出来ないようなものが出来るはずです。それを作品として是とするかは悩ましいところでしょう。

もしかしたら、こんなことを感じているのは私だけかもしれません。しかし私は、原作小説を読んだときに感じた恐怖をもう一度味わいたいと思わずにはいられないのです。今のアニメイシヨンではコンセプト的に沿わないでしょうが、もっとニンジャスレイヤーという作品の根源的なコワイところをメディアミックスでも見たいと願ってしまうのです。

さて、だいぶアニメイシヨンの感想が脱線してきました。

第9話はオイランチェックが素晴らしかったですね! うちも揉みたい!

第10話の感想

ノトーリアス=サン! カワイイヤッター!

第10話は冒頭からかなりテンポが良く、サワタリとノトーリアスの会話がすごく面白かったです。何かあるたびにバイオ・イアイドを自慢するノトーリアスがなんかカワイイです。

しかし無常にもフジキドに敗北するノトーリアス。怒り狂うvsサワタリ戦はブンドド全開でしたが、大将の撤退が悠長だった辺りは笑ってしまいます。一瞬垣間見えたナラクはすごく良かったですね。

そしてタヌキと言えばやっぱりコトダマ空間です。ナンシーがトリイの上から見下ろすシーンが印象的で、最初のカットではナンシーの前方上空に太陽(or月)のようなものが小さく浮かんでいて、次のカットではナンシーの後方上空に三日月が大きく描かれています。ここで違和感が生まれます。後ろに月があるなら、さっき前に見えたものは何なのか? 思わずにやりとしてしまうシーンでした。一体何なんでしょうね。黄金立方体

ところでナンシーvsダイダロス戦で「何でダイダロスこんなに弱いんだよw」みたいなコメントが動画にありました。ちょっと気になるというか面白かったので少し取り上げたいと思います。

確かにナンシーはたった一人で大量のダイダロスを次々に撃破していくのでそう感じるのは何もおかしくはありません。しかしこの発想は逆転して考えた方がきっと面白いはずです。すなわち、「なんでニンジャでもないナンシーがコトダマ空間内において、ニンジャに匹敵あるいは凌駕するような戦闘能力を持っているのか」という疑問です。

コトダマ空間とは何なのか?

謎の黄金立方体とは何なのか?

ニンジャとは何なのか?

ニンジャスレイヤーを読み進めていくとこれらの疑問が次々に浮かんでくるはずです。そしてその答えに気がつき始めるにつれて、ニンジャスレイヤーという物語がずしりと存在感を持ち始めることと思います。

ささやかな伏線たちはやがて繋がります。それらを知るためにもアニメイシヨンをご覧になった方は是非原作小説を読んでみて欲しいと思っています。コミカライズを読んだ方も同様です。コミカライズも、アニメイシヨンも、それだけではこれっぽっちも完成されたものではないと私は思います。確かに面白い点はたくさんありますが、より物語を楽しむには原作小説を避けて通ることは出来ません。

というわけでニンジャスレイヤー読もうぜ!

ワン・ミニット・ビフォア・ザ・タヌキ

ナンシーの情報を頼りにタケウチ・ウィルスの特効薬を求めるニンジャスレイヤー、しかしなかなか成果の上がらない現状にナンシーへの不信感が漂い始めます。そしてそのとき、ソウカイ・シックスゲイツの一人、ダイダロスが奇襲を仕掛けてくるのでした。

かろうじて危機を脱した二人はヨロシサン製薬の第1プラントへ侵入を試みます。その一方、サヴァイヴァー・ドージョーのサワタリとノトーリアスもバイオインゴットを奪取するべく第1プラントへ侵入し……。

【ワン・ミニット・ビフォア・ザ・タヌキ】ニンジャスレイヤー Wiki*

アニメイシヨンの第9話と第10話は【ワン・ミニット・ビフォア・ザ・タヌキ】でした。タヌキ! 書籍では第1部の第3巻に収録されています。

このタヌキはニンジャスレイヤー第1部の序盤から中盤にかけての山場となる重要なエピソードです。何が重要なのかというと大きく3つの点が挙げられます。

一つは主人公フジキドとナンシー・リーの信頼関係です。彼らは互いの実力を認め合い、信頼することで名コンビとして物語を動かしていきます。その明確なスタートラインがこのエピソードというわけです。エピソード序盤ではまだ信頼が築けていないのでぎくしゃくしてるあたりがちょっと面白いです。

もう一つがサヴァイヴァー・ドージョーの面々です。【アポカリプス・インサイド・テインティッド・ソイル】で初顔合わせをしたサワタリ一行がこのエピソードで再び登場します。そしてフジキドと衝突してノトーリアスが殺害されたことで確執が生まれ、今後も幾度となく敵対関係が続くことになります。狂気に堕ちたサワタリの言動や行動、そしてvsニンジャスレイヤー戦はなかなかの見所です。

そして最後の一つこそが最も重要であるコトダマ空間の登場です。vsダイダロス戦を通してニンジャスレイヤーの世界観における電脳空間の情報が色々と見えてきます。コトダマ空間はこの作品における最重要なキーワードの一つですので絶対に無視をすることが出来ません。このタヌキでは一部しか垣間見ることが出来ませんが、絶対に、絶対に見逃してはいけないところです。

原作小説を読むには以下のリンクからどうぞ!

そしてこのタヌキは無印でコミカライズもされています。それもアニメイシヨン第9話が放映される前日というナイスなタイミングで連載が完結したばかりです!

出典:無印版【ワン・ミニット・ビフォア・ザ・タヌキ】#3 前半より

これまでなかなか登場機会がなかったナンシー=サンもようやくコミカライズされました。美しくてカワイイ、タフな美女ナンシー=サン! 刮目せよ!

またアニメイシヨンではブンドドしてる戦闘シーンもコミカライズでは迫力ある演出がなされています。ぶち切れたサワタリとニンジャスレイヤーの戦闘シーンはど迫力です! こちらも是非!

タヌキ収録の無印最新刊は2015年7月8日発売予定です。備えよう!