ロクデナシ』の音楽が好きです。

ロクデナシとは、ボーカリストのにんじんと気鋭のボカロPが参加する音楽プロジェクトで、2021年6月より活動されています。私の『YouTube Music』の2025年ハイライトでは、ロクデナシがリストを席巻しました。すごくキレイで伸びのある歌声と、感情揺さぶる歌詞や楽曲が魅力的で、繰り返し聴いていても飽きが来ない味わい深さがあります。

この記事では私の好きな10曲をご紹介します。ぜひ、その音楽に耳を傾けていただければ嬉しいです。

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ユリイカ

2024年4月に公開された『ユリイカ』は、私が初めて聴いたロクデナシの曲です。

この曲はアニメ作品『終末トレインどこへいく?』のED曲です。狂った世界で失踪した友人を探す旅の物語ですが、そのEDを任されたこの曲に私は衝撃を受けました。第1話の視聴後すぐにロクデナシを検索したことを今でも覚えています。

ここから、私のロクデナシが始まりました。激しい後悔を歌う曲ですが、その歌詞と曲調、何よりも歌声に込められた感情表現の深さに、私は一発で惚れました。

この曲を教えてくれた終末トレインに感謝です。

ただ声一つ

2021年12月に公開された『ただ声一つ』は、2026年5月現在、Youtubeの再生回数が2.1億回を超えています。ロクデナシの代表曲と言える一曲です。

なんと言ってもピアノの旋律がすごく美しい曲です。歌声のテンポも心地良くて、自然と口ずさみたくなる高揚感があります。けれど、よくよく歌詞を聴いてみると、結構暗い感情を宿していることに気がつきます。

この曲に限らず、ロクデナシの曲は暗い感情が根底に存在しています。つらい、悲しい、生きづらい、後悔しているなどなど、多くの人が抱えている嫌な感情を音楽に込めているのですが、聴いていても不思議と不快感を感じません。

暗い感情を闇雲に吐き出すのではなく、音楽の力で別の感情へと昇華させているように私には思えます。その表現がもの凄く上手いところを私は高く評価しているのです。

雨景色

2025年7月に公開された『雨景色』は、サビの疾走感をぜひ聴いて欲しい曲です。

「もっと もっと スピードをあげて」のところが最高で、前半と後半で声の抑揚が全然違います。傘を放り投げて走る主人公の姿が見えます。ぐちゃぐちゃの感情で流れ落ちる涙が見えます。ロクデナシの中でも特に映像的な音楽です。雨の降る様子も、晴れて日の差す様子も、ありありと目の前に浮かびました。

これ、傘差しているときに聴くと、走り出したくなるんですよね。

眼差し

2023年10月に公開された「眼差し」は、ロクデナシの中で私が一番好きな曲です。YouTube Musicの2025年ハイライトのトップはこの曲でしたし、なんなら、人生ベストのトップ3に入るくらいに大好きな曲です。(TOP3はAkeboshiの「A Nine Day’s Wonder (Live)」と角巻わための「My song」)

ピアノの旋律と歌声のハーモニーが信じられないほどに美しいです。特に尋常ではない歌唱力がヤバくて、感情を絞り出す歌声に肌の震えが止まりません。ブレスひとつを聴いても鳥肌が立ちます。

「ふと 生きなければと思った」「今 生きたいと思った」

この歌詞の重さと美しさ、そして圧倒的な歌唱力が私の感情を支配するのです。本当にスゴい曲だと思います。私の人生において消えることのない名曲です。是非、聴いて欲しい一曲です。

沁み込む

2025年7月に公開された『沁み込む』は、他の曲とはやや雰囲気の違うテクノ調の曲です。

ロクデナシのボーカリストは常ににんじんさんですが、作曲は曲毎に違うボカロPの方々が参加されています。歌声で統一感は持たせつつも、曲毎に違う雰囲気を感じられるのも魅力のひとつです。逆に言えば、ボカロPの方々がにんじんさんをどう料理するのか、という視点でも楽しめます。にんじんだけにね!

この曲からは都会的な寂しさを感じました。都会はキラキラしていて人も多くて賑やかですが、雨に濡れる自分を誰も気に止めません。足早に人々が通り過ぎるなか、ひとり心沈んで雨に溺れている孤独感です。そんな情景が私の頭に浮かびましたが、アップテンポで賑やかな都会の曲調がすべてを覆い隠していきます。

こう、自分だけが溺れている感覚だけど、周りはそうでもないという情景、いいよね。

流星の声

2025年2月に公開された「流星の声」は、全楽曲の中でも完成度が非常に高いバランスの取れた曲です。

ピアノのイントロからすでに引き込まれます。シンプルに曲が良い、歌声が良い、歌詞が良いの三拍子揃っています。感情が上下に大きく揺れる曲ではなく、流星のような直線的なイメージで右肩上がりに昇っていく感覚でしょうか。流星を「降り注ぐ」「零れた」と上から落ちるものと歌詞で表現していますが、歌声や曲調は上へ上へと盛り上がっていきます。

このシンプルさが、聴いていてすごく気持ちが良いのです。心が晴々とします。

アマネゾラ

2023年12月に公開された「アマネゾラ」は、ロクデナシの中でも特に感情表現の強い曲です。

歌詞を見るとかなり暗い感情をストレートに表現していますが、歌詞以上の暗さを歌声で表現しています。今にも泣き叫びそうな歌声に心がキュッとします。でも、不思議と不快感ではなく、心地良さが耳に残るのです。この歌唱力こそが、ロクデナシをロクデナシたらしめているものだと私は思っています。

歌をキレイに唄うことは素人には難しいです。音程とか音量とか、きちんとした技術を学ばねば、プロの歌唱力にはなかなか辿り着けません。けれど、技術的にキレイに唄えば良い歌なのかと言うと、そうでもありません。強く吐き出すブレスとか、震える声とか、内なる感情を抑えきれない部分に心動かされることは多々あります。やり過ぎると過剰に感じられてウザくなりますが、私はロクデナシにそれを感じません。

歌による感情の表現がべらぼうに上手いのです。この歌唱力は唯一無二のものだと思っています。

リインカーネーション

2023年11月に公開された「リインカーネーション」は、音だけではなく映像も見て欲しい曲です。

ロクデナシは幻想的なイラストを用いたMVも魅力のひとつです。この曲はシンプルながらもメッセージ性の強いMVとなっていて、曲の歌詞とイラストの変化が明確にリンクしています。その変化が意味するところをぜひ味わってみてください。

また、「ねえ空白よ ねえ静寂よ ただ夜を埋めてよ 終わってしまえるように 歌っていけるように」というところの歌詞が私はすごく好きです。虚ろな感情を空白や静寂で埋めるという寂しさと、そこから歌が生まれるという構造に独創性を感じるのです。

愛が灯る

2023年2月に公開された「愛が灯る」は、歌詞が最高に素晴らしい曲です。

歌声を邪魔しない程度に曲は控えめにして、歌詞の内容と歌唱力に表現を託しています。そして、それが見事に嵌まっていて、歌詞の素晴らしさが歌声の魅力を最大限に引き出しているように感じました。

さきほど、ボカロPの方々がにんじんさんをどう料理するのか、という視点の話しをしました。それぞれの曲で味付けが違うのが魅力のひとつですが、素材の良さをシンプルに最も引き出しているのは、この曲ではないでしょうか。純粋に歌声の美しさに引き込まれます。なんなら、音楽なしのアカペラでも成立する曲です。その歌声を支える、歌詞が最高に素晴らしいと私は思うのです。

心の奥

2025年2月に公開された「心の奥」は、後半の盛り上がりが最高の曲です。

気持ちを貯めに貯めて、最後に心の奥まで全てをさらけ出すような歌声に心が震えます。10曲目の最後にこの曲を選びましたが、なんだかこの曲は最期に相応しいような気がするのです。

つらいことも寂しいことも色んな感情が心の奥にありますが、それでも明日を願う光も残っていることをロクデナシは唄います。嫌な感情も、あるいは救いの感情も、どちらが良いとか悪いとかではなく、ただそこに存在するという寄り添う姿勢が、私は好きなのかもしれません。

心の奥にある形のない感情を、ボカロPたちによる素晴らしい曲と、そしてにんじんさんの圧倒的な歌唱力で表現するのがロクデナシの音楽だと思っています。肯定されるでもなく、否定されるでもなく、ただそこに居てもいいと形が与えられる、とでも言えばいいでしょうか。その音楽性が私を魅了して止みません。

最後に、ここでご紹介した10曲の再生リストを公開しています。よろしければぜひ、聴いてみてください。