ブックサンタ2025に本を寄付しました
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2025年度のブックサンタに本を寄付しました。
ブックサンタとは、全国の経済的に恵まれていない子供たちのために、クリスマスプレゼントとして本を贈ろうという社会貢献プロジェクトです。認定NPO法人チャリティーサンタが運営しており、全国の書店も協力しています。
ブックサンタの素晴らしいところは誰でも気軽に参加できるお手軽さにあると私は思います。寄付したい本を自分で選び、近くの書店で購入するだけでいいのです。特別な手続きも個人情報の提供も必要ありません。私は書店員として働き始める前からブックサンタに賛同しており、毎年、本を贈らせていただいております。読書好きなひとりとして、社会貢献をしつつ、未来ある子供たちに自分好みの癖を植え付けられる本の面白さを届けられるブックサンタを応援しているのです。
ブックサンタをご存じない方、あるいは少し興味のある方、ぜひぜひ、下記公式HPをご覧になってみてください。2025年の参加もまだまだ間に合いますので、お近くの本屋さんに足を運んでみてはいかがでしょうか?
この記事では、2025年に私がブックサンタへ贈った本をご紹介したいと思います。
パンどろぼう ほかほかいっしょにあそぶっく
絵本のパンどろぼうシリーズから親子で遊べるタイプの『パンどろぼう ほかほかいっしょにあそぶっく』を選びました。
王道の絵本は放っておいてもたくさん寄付が集まるだろうから、少し変化を付けたところを毎年贈っています。子供が喜ぶだけじゃなく、親子で笑顔になれたらいいなあと思って、この本を選びました。ひとりで文字や絵を読むだけが読書の良さや面白さではありませんから、クリスマスに親子で一緒に同じ時間を過ごせたら素敵だなと願っております。
パンどろぼうはすごく大人気の絵本シリーズです。雑貨も扱うような書店なら、ぬいぐるみとかキーホルダーとかのグッズも最近はたくさん販売しています。グッズは寄付できないけれど、絵本とグッズを一緒にプレゼント出来たら、面白いのかもしれません。
こちら、沖縄美ら海水族館動物健康管理室。世界一の治療をチームで目指す
毎年、ブックサンタでは低年齢向けの本の寄付が集まりやすく、高学年や中高生向けの本が不足しがちなので、私は読み物系の本として『こちら、沖縄美ら海水族館動物健康管理室。世界一の治療をチームで目指す』を選びました。
水族館の物語なのでお仕事紹介の側面もありつつ、表紙イラストの可愛さから本書を選びました。飼育動物の健康というテーマも興味深いところです。ただ、この系統の本を選ぶときは毎年少し躊躇するところもあります。と言うのも、現実に実在する地域や施設が題材の場合、この本を読んで気に入ってくれた子供が「美ら海水族館に行きたい!」となったときに、経済的な問題が発生する恐れがあるからです。
私も幼い頃に鴨川シーワールドにどうしても行きたくて、ひたすらに駄々をこねて親を困らせた記憶があります。結局連れて行ってもらうことはありませんでしたが、ブックサンタが届けられるご家庭であればなおのこと、経済的な理由で気軽に旅行と言うわけにもいかないはずです。このあたりのことを考え出すと、ちょっと難しい部分もあります。
それでも、私はこの本を選びました。
この本にはそれだけの魅力があると思ったからです。内容が良い、本の作りが良い、イラストが良い。顔も名前も知らないどこかの子供がこの本を読んで、日本の沖縄にはこんな素晴らしい水族館があるんだと知って欲しいと思ったのです。
ブックサンタの本を選ぶときはこういうときが本当に楽しいのです。社会貢献という大義名分を背負って、自分好みの本や癖を植え付けられるなんて、最高だぜ。
古都琴子は好きに生きるので、あしからず
ブックサンタは小学生だけではなく中高生も対象になっていますので、少し年齢が上の子供向けにライト文芸の新刊から『古都琴子は好きに生きるので、あしからず』を選びました。
プレゼントとして贈る本だと名作やベストセラーを選びがちですが、私は新刊も積極的に選ぶようにしています。その理由は時代性を大事にしたいと思っているからです。もし、この本が15歳の子供に贈られるのならば、15歳のときにこの本が発売された、15歳のときに汐見夏衛さんという作家がいた、そして15歳のときに読んで何を感じたのか、今じゃなくてもいいので20歳30歳になったときに、ふと本棚に並ぶこの本を見て一瞬でもいいので何かを感じる時間があって欲しいなと思っているのです。
読書の醍醐味って、その本を読んだその瞬間だけに訪れるものではありません。1年後、5年後、10年後、一度読んだことのある本を再び手に取ったときに、ふと感じるものがあるはずです。この感情を言葉にするのはなかなか難しいのだけれど、読書好きな自分としては大事にしたいものだと思っています。
けれども、これを味わうには本を読むしかありません。経済的な理由でなかなか本を買えない人にとって、興味外の本を買う機会は少ないのかもしれません。中高生であれば参考書を買うので精一杯かもしれないし、好きなマンガを買ったらお小遣いは残らないかもしれない。だからこそ、その時代に発売された本を贈りたいと、私は思うのです。
汐見さんの作品なので知名度は高いですが、まだ発売されたばかりなのでその評価は未知数です。今後、ベストセラーとして何十年も読まれる本になるかもしれませんし、時代の流れの中で消えていくかもしれません。でも、その本を15歳のときに読むのか、それとも30歳のときに読むのか、そこに大きな違いがあると、私は信じています。
VISIONS 2026 ILLUSTRATORS BOOK
『VISIONS 2026 ILLUSTRATORS BOOK』は毎年刊行されているシリーズで、世界各国のイラストレーターの超美麗イラストがたくさん収録されています。イラスト業界の最前線を知れる一冊なので、将来はイラストレーターを夢見る子供に届けばいいなと思い、毎年この本を贈っています。
これは完全に私の趣味です。絵を描くのは楽しいです。見るのも楽しいです。今の時代、スマホやPCでいくらでも見ることが出来ますが、紙に印刷された絵にはデジタルとはまた違う良さがあります。総勢170名のイラストレーターたちが描くイラストは圧巻の一言です。それぞれが描く世界観や色彩の美しさをぜひ手元で、隅から隅まで四六時中眺めて欲しいと思っています。
経済的な面で不自由さを感じることがあるのかもしれませんが、イラストの世界は、創造の世界は、どこまでも自由です。どんな世界を描いたって良いし、どんな色で塗っても良いのです。男も女も、光も影も、空も海も、関係ありません。描きたいと思ったものこそがその世界の主人公であり、誰にだって世界を創造する権利があります。
だから、お絵かきはやめられねえんだ。






